オン バサラ ダトバン。
これって、実は真言と呼ばれる密教のお経の一部です。
意味は、大日如来。
この様な、真言を唱え、大日如来と一体となることで覚りを得ようとしたのが、空海です。
どの様な教えであったのか?簡単にまとめてみました。
みなさまのお役に立てれば嬉しいです。
それでは、どうぞ!
目次
空海とは?真言宗と密教とは?
みなさまも、良く聞く名前。
その名も空海!(くうかい)
時は、平安時代の初期。
現世利益を求める貴族層を中心に密教がさかんになりました。
その密教ブームの火付け役が空海です。
空海の出身は讃岐。生まれは奈良時代の末期
空海は、宝亀5年(774年)、四国の讃岐国(香川県)に生まれました。
父は、大伴(おおとも)氏の流れをくむ佐伯氏の一族。 幼名は、真魚(まお)。
15歳で都へいき、18歳で儒・道・仏の三教を習得し、20歳で受戒。
31歳の時に、遣唐使使節団として中国へ。
そして、約2年かけて、唐の長安で青竜寺の高僧恵果より、密教の奥義をすべて伝授されました。
そして、帰国後の816年、嵯峨天皇に高野山の土地を賜り、金剛峰寺(こんごうぶじ)を建立。
また、嵯峨天皇から与えられた東寺(とうじ)を真言宗の根本道場としました。
このことから、真言宗は東密(とうみつ)とも呼称される様になりました。
空海が説いた密教とは?真言宗の教えとは?
空海が説いた密教を真言宗(しんごんしゅう)。
または、真言密教(しんごんみっきょう)といいます。
その教えとは、大日如来の説かれた教えを理解すること。
真言とは、真実の言葉を意味します。
ふつうの人には、わからない仏の世界の言葉のことです。
この真言こそが、存在の根源である大日如来の教えであり、それ以外の顕教(けんぎょう)、つまり、秘密にせず明らかにされた教えは、大日如来が釈尊の姿を借りてこの世に現れ、大衆を救うために分かり易く説いた教えであるとしました。
大日如来の語りかけ(教え)を理解するには、心身ともに大日如来と一体になる修行が必要です。
真言や陀羅尼(だらに)という呪文を唱えながら、手では、仏や菩薩などと同じ印契(いんげい)を結び、瞑想で仏の境地をみることです。
言い換えると、修行をすれば、生きているまま仏であることを体験できるという教えです。
また、このことを即身成仏(そくしんじょうぶつ)といいます。
教えの特徴とは?
顕教では、長い時間修行を続け成仏を目指しますが、密教では、大日如来と一体となって修行すれば、
そのまま、仏となることができるという教えです。
また、空海が最も強く説いた教えを、三蜜加持(さんみつかじ)と言います。
仏教では、人の行為や生活はすべて、身(しん)、口(く)、意(い)の3つの働きで成り立っていると教えます。
つまり、身体と言葉と意志(心)です。
これを三業(さんごう)と言います。
しかし、仏さまの三業は、はかり知れない高い境地で秘密の様なものです。
そこで、仏さまの三業のことを、三蜜といいます。
しかし、空海は、人も本来は仏であるから、人の三業も仏になりきってしまえば三蜜であり、これを、身蜜、口蜜、意蜜と言います。
その三蜜によって加持すれば、速やかに仏になれると説きました。
つまり、三蜜加持が即身成仏の方法であると空海は教えています。
本尊は何?空海も本尊のひとつ?
真言宗は、大日如来が本尊ですが、諸仏、諸菩薩、諸明王も、大日如来の徳のひとつを表していると考え崇拝しています。
祖師の空海も弘法大師様(こうぼうだいし)として、本尊とされています。
厄除け大師などが、よく名前を聞きますよね。
経典は?実践法も掲載!
真言宗の経典は、大日経、金剛頂経が主な経典で、それぞれの実践法を、胎蔵界法、金剛界法と言います。
唱える真言とは?主な諸菩薩への真言を紹介!
密教では、諸仏、諸菩薩、諸明王に呼びかけを行うときに唱える真言があります。
サンスクリット語を音写したもので、
1.不動明王
ノウマクサマンダ バザラ ダンカン
2.釈迦如来
ノウマクサマンダ ボナダン バク
3.阿弥陀如来
オン アミリタ テイセイ カラ ウン
4.薬師如来
オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ
5.観音菩薩
オン アロリキャ ソワカ
6.地蔵菩薩
オン カカカ ビサンマエイ ソワカ
7.弥勒菩薩
オン マイタレイヤ ソワカ
きっと、どこかで耳にする機会があると思います。
何となくでよいので、覚えておきましょう。
真言宗の特徴は?法具類にあり!
真言宗では、特徴のある法具を用います。
その中のいくつかをご紹介します。
1.金剛杵(こんごうしょ)
もともとは、インドの武器であるが、煩悩を打ち砕き、本来の仏性を現わす助けになります。
2.金剛鈴(こんごうれい)
鳴らすことで、眠っている仏心を目覚めさせます。
3.羯磨(かつま)
三鈷杵(さんこしょ)を4つを組み合わせたもので、12支縁起を現わしています。
空海の思想をまとめた著書とは?
空海の著書で興味深いものがありましたので、参考に紹介します。
秘密曼荼羅十住信論。
※ひみつまんだらじゅうじゅうしんろん
この著書の中で空海は、第一住信(食などしか興味のない無知な状態)から三論宗、天台宗、華厳宗などの学びを得て、最後の十住信(真言宗)に到達すると教えています。
つまり、真言宗は、仏教思想の頂点にたつものと教えているのです。
空海は、その他にも著書があり、特に有名なのが性霊集!(しょうれいしゅう)。
宗教以外の政治や経済、文化についての考えを空海が文章で綴っています。
空海とは?~まとめ~
以上のことをまとめてみました。
1.空海は、四国の人で真言宗の開祖
2.高野山に、金剛峰寺を建立。
3.真言宗は東密(とうみつ)ともいう。
4.心身ともに大日如来と一体になる修行により即身成仏となることが極意。
5.三蜜加持が即身成仏の方法。
6.大日如来が本尊だが、諸仏、諸菩薩、諸明王も、大日如来の徳のひとつとして崇拝。
7.主な経典は、大日経、金剛頂経!
8.それぞれの実践法を、胎蔵界法、金剛界法と言う。
9.それぞれの諸仏などへ祈願する際の呼びかけの真言がある。
不動明王ならば、ノウマクサマンダ バザラ ダンカンと唱える。
10.真言宗の特徴は法具類に。
11.空海の思想をまとめた著書も参考になります。
いかがでしたか?
諸仏へ唱える真言。
特に、不動明王さまへお経を読むときに、よく唱えたことがありとても身近に感じている言葉でした。
これが、真言とは知りませんでしたが(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。