仏教が日本へ伝わった時を、仏教伝来と呼びます。
お釈迦様の教えが、約1千年の時を超え、8千キロ以上の旅を得て、日本へ伝わる過程を調べていくと、ものすごいドラマを感じました。
発祥のインドから、中国・朝鮮を経て、日本へ伝わるまでに、どの様な他国の文化が融合されて、今の日本の仏教となっているのか?
ぜひ皆様にも知っていただきたくまとめてみましたので、ご覧ください。
ちなみに、帝釈天って、元々は仏教とは関係のない神様なんですよ。
それでは、どうぞ。
目次
仏教伝来はいつ?だれが日本へ伝えたの?
私が学生時代の時は、歴史の授業で年号を覚える為に、仏教が日本へ来た(伝来した)年を538年(ご参拝に来た仏さん)と暗記しました。
そうです。
紀元前の5~6世紀にインドで誕生した仏教は、遥か彼方の日本へは、約1,000年の時をかけて、伝わってきたのです。
具体的な年としては、552年と538年の二説がありますが、538年に、百済(くだら)の聖明王(せいめいおう)が欽明天皇(きんめいてんのう)に仏像や経典を伝えたという説が有力とされています。
しかしながら、この年は日本の国として正式に伝わった公的な伝来であることから、最近では、伝来ではなく公伝の年として呼ぶようになってきています。
それは、5世紀前半頃に、高句麗との戦乱から逃れるために、多くの百済の国民(渡来人)が日本へ来ており、384年に既に仏教が伝来している、百済の人からは、当然仏教も個人的に伝えられていると想定されるからです。
仏教伝来のルートは?仏教に融合された他文化とは?
インドのガンジス川周辺で生まれた仏教は、当時の交易ルートである、西北インドから、中国西域、朝鮮半島を経て日本へ伝来されました。
単純な直線距離でも、8千キロ以上の道のり。
しかも、山や川、砂漠等を超えて行かないと辿り着けない道のりです。
今の様な装備もない中での旅は、困難の連続だった事が容易に想像できます。
そのルートを簡単にご紹介します。
仏教伝来のルート。
①ブッダガヤ(ガンジス川流域)<インド>
②ガンダーラ地方・バーミヤン(紀元前2世紀)<西北インド>
➂敦煌(紀元前1世紀)<中国:シルクロード>
④後漢(洛陽:1世紀)<中国>
➄高句麗・百済(4世紀)、新羅(5世紀前半)<朝鮮>
⑥倭<日本>(奈良:5世紀前半(538年))
仏教伝来されたのは、大乗仏教なのです。
仏教伝来で日本へ538年に伝わったのは大乗仏教なのです。
現在、日本では多くの学派が存在しますが、その内容が伝来されたのは、もっと後の時代になります。
それぞれの、仏教伝来を以下にまとめてみました。
インドの仏教
1.仏教の誕生(紀元前5~6世紀頃)
2.原始仏教広まる(紀元前3世紀頃)
3.部派仏教の時代
4.大乗仏教が成立(紀元前後)
5.密教化(5世紀頃)
6.インド仏教消滅(13世紀頃)
中国の仏教
1.大乗仏教伝来(1世紀頃)
2.鳩摩羅什(くまらじゅう)が仏典翻訳(5世紀)
3.達磨大師が禅を伝える(6世紀)
4.玄奘がインドへ行く・浄土教発展(7世紀)
5.中国密教発展(8世紀)
6.臨済宗・曹洞宗が発展(12世紀)
日本の仏教
1.大乗仏教伝来(6世紀)
2.密教(天台宗・真言宗)(9世紀)
3.浄土信仰流行(11世紀)
4.鎌倉仏教発展(12~13世紀)
※臨済宗・曹洞宗、浄土宗・浄土真宗・日蓮宗・時宗
仏教に融合された他文化とは?内容は独自に発展。
インドで誕生し、中国を経て、日本に伝来される途中で、それぞれの国の文化が融合し、独自の発展をしてきました。
ちょっと、まとめてみました。
インドの仏教に風土が融合
原始仏教(お釈迦様の教え)に、
1.バラモン教(ヒンドゥー教)
①呪術的要素(密教へ融合)
②神様(帝釈天等)
2.ギリシャ彫刻技術(美術)
中国に伝来された仏教に風土が融合
1.儒教(先祖祭祀⇒インドにない仏式葬儀)
2.道教(神仙となる思想)
3.仏典翻訳(漢字)
日本に伝来された仏教に風土が融合
1.神道(八百万の神様)
2.貴族・武家文化
3.山岳信仰
仏教伝来のまとめ
最後に、仏教伝来とは何か?をまとめてみました。
1.日本への仏教伝来(公伝)は538年で、百済より伝わった。
2.伝来のルートは、西北インドから、中国西域、朝鮮半島を経て日本へ。
3.当時伝来されたのは、大乗仏教。
4.密教は、9世紀、浄土信仰は、11世紀、禅宗等は、12~13世紀頃に発展。
5.日本の仏教は、原始仏教(お釈迦様の教え)+【インド+中国+日本の風土文化】。
調べてみると、元々は仏教とは関係のないものが、仏教に融合されているのだと、あらためて気づきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。